2016年12月25日

労働問題

娘が入省しようとしていた時期、私は中央官庁とはいったいぜんたいどんなところなのだろうと思い、現役官僚さんのブログを探して読んでいた。

遣り甲斐のある仕事、優秀な人だけが集められた職場、その中で苦しむ若者たち。
複数のブログから読み取れた情報である。


中に入省1年目の青年のブログに、同期が屋上から飛び降りて死んだという記述があった。

何日も帰っていないという記述、罵倒された、蹴られた、そんな記述がゴロゴロあった。



娘が入省しても私の頭からこれらの情報は消えず、常に念頭にあった。
どんな扱いを受けているのか、どのような仕事をさせられているのか、娘が追い込まれて自分を見失いはしないか、濡れ衣を着せられるような立場に立たされはしないだろうか、、、、、。


就職して親元を離れ経済的にも自立した子を、、、なんと過保護、馬鹿な親心と多くの人がお思いになるかもしれないが、優秀な成績で来たひよっ子は変な自信を持った馬鹿が多い。
「井の中の蛙大海を知らず」そのものだ。
そんな奴は大人社会のドス黒い煙に巻かれたらひとたまりも無い。
大した挫折を知らずに優秀で来ただけに弱い。
お前はもう一人前だ頑張れ!!と突き放す強さは私には無かった。

むしろこれからが大切だと思った。親の大人の目を理解できる年頃にようやくなったと思った。
大人の会話が出来るようになったと思った。

大人社会で通用する人材になるか、ならせてもらえるか、育てていただけるかは本人の在り様が作用する。
先輩を見て、能力を見抜けよと思った。
それを娘に直接言わないのが私流だ。
個人的な飲み会に誘ってもらった。楽しかった。こんなこと聞いた。ウフフ。(;´▽`A``
それだけ聞けば十分。そこから娘の立場と評価を掴んだ。

人脈は大切だから気をつけた方がいいという事は言った。
困った時に力になってくれる人。助けてくれる人。的確なアドバイスをくれる人は大切だというようなことはお酒を飲みながら話した。派閥には適度な距離感が必要だということも話した。

二十歳そこいらで人を見抜くのは難しい。
世の中には嫌がらせをする人や、人を突き落として楽しむ人がいる。
そんな人間に狙われたら最悪だ。
そんな人間は、あの人が目を掛けている子に手を出しちゃ不味いことはよく知っている。
だからひよっ子にとって人脈は大切なのだ。筋目の通った大人に目を掛けてもらえる質が有るか否か。
その答えは飲み会の話しの中に隠れている。そこから私は娘の質を推察するしかない。
先輩方の能力の高さを嬉しそうに話す娘にそこまで見抜くようになったかと良し良しと親は喜ぶのだった。


一番危ないのは自分の能力に限界を感じ、自己否定に突き進む時だと思っていた。
寮のおばさんが言っておられた。
「みなさんに言っているのよ。あなたの代わりはいくらでもいるの。疲れたら休みなさい。逃げなさい。と」
私は寮のおばさんがよく分かっていらっしゃる方だと感じ、深く頭を下げた。


今、労働問題が取りざたされている。
入社一年でこの世に失望し命を絶ったお嬢さんを思うお母様の無念は他人事ではない。
いつ自分の身に起こりはしないかと思いながら私はあの頃を過ごしていた。

労働時間が、とよく耳にするが、
慣れない仕事は人の何倍も時間を要す。新人がベテランの何倍も時間が掛かるのは当然のこと。
明日の朝の会議に使うからと言われれば徹夜してでも間に合わせなければならなくなる。
ベテランなら9時までには終わっても、新人なら朝までかかる場合もある。
これは労働時間で片付く問題ではない。そんな仕事を割り振った上司の能力の計り方のミスだ。

労働時間だけ取り沙汰しても問題解決にはなるまいにと私は思う。
夜9時以降は仕事ができなくなるのは良い事かもしれないが、それで片付くような容易いことではない。
どこまで追い詰めるか。人と人の問題だ。

追い詰められて逃げ場を失う前に、ギブアップできる社会。ギブアップが許される人間関係の作り方。ギブアップを包んで解(ほぐ)してくれる会社。になればイイナと思う。


昔、OL時代に上司に言われたことがある。
「自分には出来ません。」「これはしきりません。(方言です)」と言える人は本当は自分の能力を知っている。偉い奴なんだぞ。と。









posted by win-manma at 22:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 暮らし

2016年12月12日

冷たい水

長年冷え性に悩まされてきた。

じっとしていると足先から氷のように冷たくなっていく。

寒いと思った時にはもう風邪気味、喉が痛くなってくる。

20代になった頃からこれだから、これはもう仕方ないと諦めていた。


しかし、今年。
三陰交・関元・合谷などツボにお灸をしていて体が冷えないことに気付いた。
https://www.sennenq.co.jp/knowledge/tubo13.html
これらは消化器、肝臓、腎臓などの働きを助けると共に女性特有の症状には欠かせないツボ。


幸田文さんの本の中に、歳を取って若い頃は感じなかった水の冷たさについて書かれているものがあった。

水の冷たさで季節を感じ取る日本人の感性が、そこにはあった。


私の今までの人生では感じたことのない感覚。
冬は水の冷たさから常に逃れたくて、朝晩が冷え始めると給湯器の湯をジャブジャブ使ってきた。

しかし、今年は水の冷たさに背筋がゾクゾクするということがない。

そうなると、幸田さんに触発されて、春先にいち早く水緩む(みずゆるむ)感覚を味わってみたくなった。
昨日は痺れるほど冷たかった水が、今日はほのかに冷たい。一週間でも違いはあるのだ。
そんな風に日々の変化を見出すのは楽しいものだ。


マンション暮らしでは道端の小花や草木に季節を感じるのに遅れがちになるのだが、
水ならいち早く季節を感じられる。


冷え性は辛いものだと今更ながら思った。

水道の温度設定を水にして楽しんでいる。



しかし、食洗機が有ればこそなんだぞと思う。


ありがたいことだ。(;´▽`A``










posted by win-manma at 14:26| Comment(0) | TrackBack(0) | 暮らし