1歳1ヶ月になった4月から通いだした。
大丈夫だろうか、保育園に行かない!ママの傍がいい!ママ行かないで!と後追いをしたら娘も辛かろうと心配した。
が、案外すんなりと嫌がらずに、むしろ喜んで通園しだしたと聞いてほっと胸をなでおろした。
あれから一年半、随分シッカリしてきて時に偉そうに喋り、食欲旺盛で元気に走り回っている。
お友達とテレビの話しをしたなんて聞くとコミュニケーションが図れるようにまでなったんだな。と成長に驚いたりする。
この保育園は小規模保育b型で、孫は来年3月で卒園となる。
親はその後(あと)どこか預ってくれるところを探さなければならない。
卒園して新たに次の保育園に入園するというのが順当な流れなのだろうが、そんな流れに身を任せていたらあれよあれよと埋まっていってしまって、行くところがなくなるということになりかねない。らしい。
そこで、空きが出たので今なら子供を受けいれらますよという所に希望を出しておたら、お呼びが掛かり、孫の転園が決まったという。
この孫、大人の会話をしっかり聞いていて時にドキッとするような突込みを入れる。
子供と思って侮っていると思わぬ感情的齟齬が発生しかねない。
小規模保育の園長先生は「子供は分かりませんから、大丈夫ですよ。オホホ」と仰ったらしいが、
娘達夫婦は、この娘(孫)はそんな玉じゃないぞ。なんでも分かっていて色々考える子供だから難しさがあるのよ。
そんな認識でいたのね。だからkazyuを叱っても効き目がないんだわよ。と失礼ながら思ったそうである。(笑)
で、転園について事前説明をしたほうがよいと考え、「kazyuはお姉ちゃんになったからね、大きい保育園に行かなきゃならなくなったんだよ」と言った。
孫は驚いた。
それから不機嫌が増え、夜中に突然泣き出す・・・。
見学に行こうよと言ってもイヤだと言ったりする。
そして、いつもの「ばばちゃんに電話する」が来た。
孫の顔からいつもの屈託の無さが萎れている。
不安を目の中に覗かせている。
娘から多少様子を聞いて、「保育園変わるんだってね」と振ってみた。
ますます顔色を曇らせる。
事前に転園先の保育園の教育方針や理念、口コミなどをネットで情報を収集しておいた。
「その保育園、ご飯が美味しいらしいね。kazyuはグルメな舌を持ってるからよかったね」と笑顔を向けると、ちょっと興味を持った様子。
すかさず娘が、「この地域は食材が良いので美味しいですよね。と園長先生が言ってたわ」と拍車をかける。
そして、「保育園に亀がいるんだよね」と娘。
今度はこっちが受けて
「亀が居るの? スゴイね」「亀ちゃんに『"亀ちゃん、おはよう、私kazyuよ』と言わなきゃ」(*^_^*)
孫の顔が少し緩んできた。
「そこの保育園は自由に遊ばせてくれるらしいよ。小さい保育園はkazyuちゃん!今先生が絵本で読んであげてるでしょ。ちゃんとお座りして聞きましょ!って怒るんでしょ?でも、kazyuは自分の好きな本が見たいし読みたいんだよね。」「大きい保育園は好きに遊ばせてくれるらしいよ。よかったね」(゚▽゚*)
「kazyuは慣れればまた『おいでおいでー!』って言いながら走り回ってると思うわ」
孫の顔が、心が、段々解れてきた。
後は大人の会話で
「今までの担任の○○先生と今度の先生ではどう?」と聞くと。
娘、「ドンと構えた感が有るね。細かくなさそうな印象を受けた」
私、「○○先生の神経が固そうなところがイマイチ好きになれなかったわ」
娘、「そうそう」
この会話を孫はちゃんと聞いているのである。
そして孫自身の芯の部分で受け止め、判断をしている。
恐るべし二歳児。
二歳にして、目の前の将来に不安を感じ悩んでいたなんて・・・。

そのあと、もう電話切って洗濯物をたたもうよという娘に
まだ切らない。と言って、お別れするお友達の名前を教えてくれたり、小さな声で歌ってくれたりしていた。
実際に転園して、はたして馴染めるのかと不安になるが、そこはプロの腕に頼るしかない。
転園や転校というのは子供にとって大きなハードルだ。
それは二歳児であろうと高校生であろうと質や種類は違っても同じだと私は思う。
娘が年長さんのときに引越しをして、転入のために幼稚園を探した。
友人が自慢する大きな図書室を持つ幼稚園に無理やり入れてもらった。
娘の様子の変化に気付いたのは私の父だった。
父はとても心配をしていた。
夏休みに入る前の通知表を見て私はビックリした。
一人の時が多い、お友達に馴染もうとしない。
よく一人で本を眺めている。
娘は年長さんの時点で小学校低学年の本を黙読していた。
幼稚園の担任は、娘を知ろうともせず、眺めただけの印象を通知表に評価として書いてきた。
決定的だったのは絵だった。
キレイな色をふんだんに使って明るい絵を描いていた娘が、ダークトーンの絵を描くようになっていた。
友人自慢の図書室は自由に使えない鍵の掛かった宣伝用の部屋だった。
私はもう一度転園させることに決めて幼稚園を探した。
通知表と娘が以前書いた明るい絵と、転園後の暗い絵を携えて新たな幼稚園に行き、園長先生に見せた。
園長先生は驚き、「転園してきた子は1ヶ月から3ヶ月は大切に見守らないといけません!」「とてもデリケートなんですよ」と仰った。
娘はその後、以前の明るさと勝気さを取り戻した。
さて、孫は無事にこのハードルをクリアしてくれるだろうか。
心配心配。(;'o')m ・・!!
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