2022年05月29日

備忘録「鹿の王」上橋菜穂子著

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北の戦士だったヴァンと若い医術師ホッサル、二人の主人公の思いを軸に繰り広げられる壮大で深い”生と死、愛”を描いたファンタジー小説

ファンタジー小説は好きなジャンルではない本なのだが、

著者の上橋菜穂子氏の経歴に興味を持って読んでみたいと思ったのだった。
氏の専門は文化人類学。
オーストラリアの先住民アボリジニについて研究
立教大学大学院博士課程単位取得(文学博士)
現在、川村学園女子大学特任教授。

この小説の軸に感染症がある。
犬を介して感染する狂犬病よりも強く早く人の命を奪うウィルス黒狼熱

今、コロナに翻弄されている我々にとってとても身近に感じられる事が随所に出てくる。
2015年に本屋大賞を受賞しているのだからコロナよりずっと前に書かれたものなのだ。
生と死について深く清く描かれている。
医術師ホッサルの死生観、ヴァンの死生観を通して命の輝きを見事に読者に伝えてきてくれる。

ヴァンは40代の静かな深みのある男。
妻と子を亡くしている。その哀しみを抱いて生きている。
そのヴァンの心に灯る静かな優しさとやすらぎを著者は見事に描いている。
大人の愛情の柔らかな静けさに安堵し美しさすら感じた。
大人の男女の機微を美しく描いてくださっている。


しかし

この本、難しかったし読みにくかった。

登場人物と相関図を理解するまでに我が頭は付いていけず、ストーリーを字ずらで読んでいるだけの消化不良の読書が結局下巻最後まで続いた。

黒狼熱という病名の横に(ミッツァル)とフリガナがふってある、強大な支配国東乎瑠(ツオル)こういうのがいくつも出てくる。

国と国、部族と部族の名称も聞きなれない単語で頭の中を素通りする。
その相関図となるともうお手上げだ。


それでもちゃんと読みたいと思った。
二度目
ある程度ストーリーを知っているので余計な想像が起きず読み進めることができた。
ようやくそれぞれの役割が理解できて上下関係や横のつながりが頭に入ってきた。

もう一度、つまり三度目読んだらまた違った感想を持てるのかもしれないと思った。


今年、アニメになったらしくネット上はその番宣だらけだ。


いやー、アニメではなく壮大な北の大地の自然の美しさを存分に映画で見たいと思った。



製作費相当なものになるのでしょうが、期待しています。





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2022年05月24日

キッチンストッカー

狭いキッチンをリフォームした時、収納に知恵を絞った。

リフォーム前、三畳ほどの狭さに小さなL型システムキッチン、冷蔵庫、食器棚があり、コックピット状態だった。何十年も使ってきたので見事に収納されていたのだが、流しやガスなどのいわゆるシステムキッチン部分の高さが低く使い勝手が悪かった。

リフォームではシステムキッチンを少し大きくしたので、食器棚を処分し普段使いの食器類をシステムキッチンの引き出しに収めることにした。夫婦二人の暮らしでは多くの食器を使うことはないのだ。
それでも食器類は見ているだけ、持っているだけで嬉しくなる。
なんせ好きが高じて食器や銅鍋の販売(T'it craft)を始めてしまうほどなのだ、大切な食器類は以前紹介した北の匠の食器棚にちゃんと入れてあるのです。

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食器類は何とかなったが、ストックしておきたい食材類は、、、と考え、隙間収納(ストッカーの見栄えが悪い)を買って冷蔵庫後ろに隠し、そこに缶詰やビン類や出番のない物を詰め込んだ。

これがいけなかった。

私は見えないと忘れるのだ。あせあせ(飛び散る汗)

今回思い立って開けてみたら、いつ買ったのかも定かではないスイートコーンの缶詰が12個出てきた。
コストコに行っていたころの物だ、賞味期限2007/5の大容量のブラックペッパー、プラスチック容器類、、、

少しは見えるところに置かなければダメだ、私にストックの才能はないたらーっ(汗)と諦め、夫が使っていた丁度良いサイズのワゴンを譲ってもらい、冷蔵庫裏の隙間収納と並べてストック収納を試みた。

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あー、少しすっきりした。(*^-^*)

マネーフォワードで家計簿管理をするようになって、整理整頓断捨離に興味が出た。

お金の整理整頓が、断捨離に結び付くとは思わなかったびっくりだ。


要らなくなった物を捨てようと思えるようになったなんて、(笑)


前回ご紹介した本「ひっそり暮らし」で、スッキリ暮らすことの大切さを知ったおかげだ。




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2022年05月12日

備忘録「ひっそり暮らし」なち著

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「ひっそり暮らし」

最近こういうタイプの本をよく目にするようになった。

私の暮らしはこんな風ですよと日頃の暮らし方や室内を見せてくれる人の本。

元々はブログで紹介していたものが本になり、Amazonで☆☆☆☆400なんて本も多い。



今回この本を読んで、私はとても触発された。(*'▽')

第一に家計簿の見直し。
第二に節約の本質。

私は現在に至るまで、家計のやりくりが下手だ。
要るものは要る、仕方がないじゃないかと思ってしまう緩さがこの年になっても直らない。
この要るものは要るというaboutな括りに気付かない馬鹿さ加減。
この本を読んでいて、問題点はここだなと気づいた。


昔から家計簿は続かなかった。
物凄い面倒くさがりな性格。いちいち帳面に付けて電卓叩いて、収支を合わせて残高をチェック。
合わない(-_-;)

赤字にならなければいいじゃないかあせあせ(飛び散る汗)
その程度の認識でここまで暮らしてきたなんて…あせあせ(飛び散る汗)
住宅ローンが終われば一安心。
子供が巣立てば一安心。

宵越しの金を持たないような暮らしでよくぞここまできたもんだ。(笑)


会社を清算して、残金の少なさに身震いし、家計簿アプリで収支を見るようになった。
このアプリ、とてもシンプルで現金の収支と通帳の収支のみ管理できるもの。
何にいくら使ったのか分かるだけの代物なので、ただただ無駄遣いを戒めて自分を締め付ける意識の日々。


このひっそり暮らし、年収300万で1年で100万円貯蓄するというもの。
さぞやつましい暮らしぶりを披露されているのかと思いきや、とても優雅に暮らしておられる。
それでいて、100万の貯蓄。

凄い!!

家計簿はアプリのzaimuだと書いてあった。

これか!

アプリを検索すると色々出てきた。
見れば、最近の家計簿アプリは凄いことになっている。

私の選んだアプリはマネーフォワード

なんと、金融機関・クレジット会社やAmazon・楽天などと連携されていて家計簿アプリで全てトータルで把握できるようになっている。

しかも無料、それは世界規模でこれらのデータを多くの企業が活用するようになっているらしく、それで無料で出来るのだとどこかで見たような気がする。

私のデータ誰かに見られるのと心配になったが、世界規模でみた膨大な量の中の私のデータなんて雨粒一粒にもならないわねと思えば、まぁいいかとなった。



私は家計のやりくりは苦手で家計簿もまともに続かないずぼらだけど、経理はできるのだ。
経験上会計ソフトの扱いには慣れている。
仕事としての経理はとても面白い。会計ソフトも面白い。


昨日は取引銀行のネットバンキングと家計簿ソフトを繋ぐのに手間取った。

銀行側でなぜか拒否される。
パスワードの期限が切れている、とでる。
スマホの銀行のアイコンからはそのパスワードでスムーズに入れるのになぜ?
仕方ないので電話で聞くと親切に指導してくれた。
それでも3回目にしてやっと銀行と家計簿が繋がった。

たぶん、家計簿アプリとの繋がりに対応しきれていないのかもしれない。

Amazonとの繋がりはとてもスムーズだった。そして膨大な量のデータを提供してくれた。


トップページを見れば今現在の通帳残高と現金残高、ポイント残高の合計金額が表示されている。

これはテンションが上がる。(#^^#)

家計簿が一目瞭然で内容をもっと見て具体的に改善すべきところを見つけようという気持ちになる。



作者なちさんはつましいけれど貧乏暮らしをしてはいない。

とても優雅に暮らしておらるようにお見受けする。


どうも私は「節約生活=貧乏暮らし」と思いこんでいたらしい。

値段の安い物だけを求めて節約に努める暮らしをしなければならない。

長年本物を見極め良い物をこよなく愛する暮らしに拘りすら持っていたのに。
真逆の安い物しか買わない暮らしに変わらなきゃならないあせあせ(飛び散る汗)と思い込んでいた。

ひたすら我慢する暮らしをしなければお金なんて貯まりっこないとしか考えられなかった。


無駄を探し出し徹底的に排除する。
そして、本当に良い物、耐久性デザイン性のあるものを手に入れて大切に使い続ける。

それができるとこの本には書いてあった。

彼女は300万円の収入から住宅ローンを払い、老後資金を貯め、車を維持し、愛する猫を大切に飼い、身だしなみを整え綺麗に暮らしている。


私は、老後の暮らし方を間違っていたのねと気付かされた本だった。


生活費の無駄を排除すること、計画的にお金を貯め使うこと、身綺麗に暮らすこと。



何年ぶりだろう、マニュキュアを着けた。(#^^#)



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2022年05月09日

備忘録「そして、バトンは渡された」瀬尾まいこ著

入力ミスを発見し一部訂正しました。5月10日

生まれて間もなく母をなくした幼子が優しい大人達(親達)に育てられていく物語。


その女の子は大切にされ、愛され、素直に逞しく育っていく。




だが、世の中というか子育てってそう簡単にはいかないよ。
と突っ込みたくなる安易さ平易さに不満を持ちながら最後まで読んだ。

これ本屋大賞受賞作品。面白いかもと図書館にリクエストして、リクエストしたことすら忘れたころに読めた本だった。読まなきゃ勿体ない。あせあせ(飛び散る汗)



今も、パートナー(伴侶)は要らないんだけど子供は欲しいという声を聞くことがある。




親は我が子を何ものにも代えがたい"かけがえのないもの"神様に与えてもらった宝だと感じることは確かに多々ある。


でも、人間の子供である"こども"は親が思うようにはなかなか育たない。
反抗もすれば、とんでもないことを言ったりしたりもする。
この子は悪魔が私に与えたのかと思うことすらあるのが子育てだ。



そんな神様と悪魔の間を行きつ戻りつしながら格闘し、疲れ果てる親はこの小説には出てこない。





親としての責務を全うしようとし、そこに喜びを感じる親たちが4人登場する。

子育ては確かに生き甲斐になる。


自分以上に大切な存在に思えるそれを育む幸せ。

作者は読者にそれを伝えたかったのかな?




確かに子育てしている時が人生で一番充実していたと思う。
思い返せば一番輝いていた。

生き物として命を繋ぐことは生命の本質だなと思える時は確かにあった。


ならば命を繋げない生き物は本質を欠いたものなのかと問われれば、それは違うよと言いたい。


人は幸せに生きるために生きている。
その人の幸せは生命の継承ではないところにあり、多くのものに向けられた愛情かもしれない。
自分の子供しか見えていない人ばかりじゃ社会は方向性を間違える。
社会のバランスを保つためにはそういう人間ばかりではなく、多くの視野や価値観をもった人が大切なんだと社会は気付き始めているように、最近感じることが多くなった。






この本の親子は一人を除いて血のつながりが無い。

それでも大切に育てたいと望んだ親が描かれている。



子供を愛せない親がいっぱいいて、苦しく辛い日々を送る子供が世の中にはいる。
かたや愛したいのに、愛する対象に恵まれない人の辛さも世の中にはいっぱいある。



血縁がなくても愛情ある家庭があれば多くの子供が救われるかもしれない。




しかし現実社会では、人の子は簡単に自分の子供にはならない。



里親という制度はあるが審査や資格を厳しく問われそうだし、
こんな私の子供だもん仕方ないわと諦める言い訳もできな状況というのは辛い。



難しい社会問題だ。





将来マッチングアプリで親子になりました。なんて世の中が来るんだろうか。




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posted by win-manma at 16:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 暮らし