子供のおやつは全て手作りと決め、
添加物の無い材料を選び、砂糖や塩も精製していない物を使ってせっせと作っていた。
その頃まだ珍しかったスチームオーブンレンジを買ったのを期にパン作りにも目覚めた。
強力粉を手でコネ、生地をテーブルに叩きつけること100回。
この時の音が凄まじかった。ご近所さんは何事かと驚いたことだろう。
発酵させる為にコタツに忍ばせ、もっちりと膨らんだパン生地をツンツンと突くとやさしく応える生地の感触。
焼き上がった時の美味しさに感動していた若い頃。(;´▽`A``
パン作りは意外と長く続いた。
そのうち、パン焼機なる物が登場した。
早速リーガルのパン焼機を購入。
パンは材料さえ良ければ美味しくできるものだと思う。
これも長く使った。娘が高校に進学するまで使っていたように思う。
40歳をとうに過ぎ、パン作りの情熱とエネルギーが乏しくなった頃、近所に石窯を備えた美味しいパン屋が出来たのを幸いにこのパン焼機は押入れの奥深くに仕舞われた。
そのパン屋の石窯がなんと寿命を迎えたらしく、
お取置きをお願いしているパンが焼けなくなってしまいました。と連絡が来た。
再開のめどが立たないとお店の人も嘆いてる。
ひと月ほどは少し遠いドイツパンの店のパンを楽しんでいたのだが、どうしても割高になる。
夫は柔らな食パンを欲しがる。

柔らかな食パンは油を多く使う。それを毎日食べていたらメタボに・・・と心配になる。
そこで押入れの奥に仕舞い込まれたパン焼機の登場である。(笑)
放置されて15〜16年、この前棄てたのは餅つき機?パン焼機?有るのか?
埃舞う押入れに頭を突っ込むと、有りました。

スイッチは入るのか、動くのか?
ダメもとでスーパーの強力粉とイースト菌を買ってきて試運転。
焼けました。

ふっくらと。
ただ、スーパーの安い粉とイースト菌なのでしっとりモチモチとはいかない。
早速、ネットで検索。Amazonnで人気の粉とイースト菌を注文。
シンプルな機械は正直で、粉を変えただけで柔らかいパンに焼き上げてくれた。
今、昨日ようやく届いたイースト菌でフランスパンを焼いている。
パンが焼きあがる時の臭いが好きだ。幸せな気分になる。
キッチンが使いやすくなり、料理の意欲が俄然湧いてきた。
食生活をちゃんと見直し、冷蔵庫に食材を溜め込まない生活を心掛けたいと思うようになった。
美味しい物を作りたくなった。
簡単に出来る美味しい物だけを食べていた。夫にも食べさせていた。
キッチンに立つのが苦痛だったなんて、自分でも気付かずにいた。
調理が楽しいと思えるのは幸せなことだ。
楽しみが多いほど人は幸せなんだなと思う。