昨日読み終えた
宮部みゆき著「孤宿の人〈上・下〉」
久しぶりに最後は泣けました。
やはり人の心の優しさに弱いです。
“ほう”はちょっととろい女の子。
母親は奉公先の若旦那の手が付き身ごもり出産後直ぐに亡くなる。
不幸な生まれのほうは物覚えが悪く邪魔者扱いされ、いい様にコキ使われる。
誰にも愛されずいじめにも遭うがトロイ頭が幸いするのか、心が捻じ曲がっていない。
人が私に冷たく当たるのは阿呆の呆(ほう)だからだと思っている。
周りの人に教えられた阿呆のほう(呆)を素直に受け入れている。
そのほうの素直な優しい心根がじんわり伝わる宮部さんの筆致に読み手は癒される。
そんな阿呆のほう(呆)に加賀殿が名前をくださる。
最初に方角のほう(方)そして最後は宝のほう(宝)
見目麗しく才たけてもいいが、
人の深い悲しみや優しさを汲み取れる確かな心の目を持ち、素直に相手を見つめる目を持つことの素晴らしさを感じ涙が流れた。
8月の読書でこころに残ったもの
孫子(上・下) 海音寺潮五郎著
人情武士道 山本周五郎著
ちょっと今から仕事やめてくる 北川恵海著
果つる底なき 池井戸潤著
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2017年09月14日
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