「なんかね、気持ちがおだやかになってきちゃったんですね。
そんな気持ちじゃやっていけないですよ」
プロフェッショナル仕事の流儀で吉田都さん(英国ロイヤル・バレエ団のプリンシパル)のつぶやいた言葉が耳に残りました。
根性とかいうのとはちょっと違う闘志、闘魂という言葉が浮かびました。
闘志(闘魂 戦意 勇気 気力 覇気 闘争心 闘争精神 闘争意欲 ファイト)
闘魂(あくまでたたかおうとする意気込み。闘争精神。)
一流になる人が持っている継続し続ける闘志を、普通の人は持ち合わせていません。
吉田さんはバレリーナとしての闘志を持ち続けてこられたのだと思います。
その闘志が薄れてしまったから引退を決められた。
闘志というのは内にある、もの静かに小さくしかし激しく燃え続ける炎というイメージです。
闘志むき出しというのは、本物じゃない。パフォーマンスという風に感じます。
スポーツで燃え上がるような闘志を荒ぶる姿でクローズアップしたりしますが、
本物は日常の中で培われ平然とした寡黙の顔をしてやってのけます。
吉田さんが番組の中で、
120%やってなきゃ本番で100%の力は出ないというようなことを言っておられました。
そうなんですよ。
受験の時、大きな試験の時わが子にいつも言っていました。
努力や練習の積み重ねを続けて自分が納得できるまでやった時、女神が降りてくるのよ。と。
頭が冴え渡り、答えが降りてくる湧き上がってくる。単なる受験でも120%の努力はこんな境地を見せてくれることがあります。
役者が憑依したかの様に演じる。この時、役者は冷静に演技している自分を見ているそうです。
闘志は、内に持ちながら日々暮らす自然体の中で成長します。
この闘志に火を点けるのは負けず嫌いな内なるエネルギーなんですよね。
素直な心と負けないと思う気持ちとプライドや素質、それらが混ざり合って闘志に浄化するのではないかなと思います。
闘志があり、たぐい稀な資質や素質があればこそ最高峰に登り詰めることができるのでしょうが、凡人には叶わぬ夢です。
やりたいことが見つからない若者が多い世の中なんだそうです。
闘志に至らない、或いは闘志が継続しない自分を認めてやる潔さ(いさぎよさ)も大切です。だってみんなそうなです。
みんな、どこかで諦めてる。そうして、30歳を過ぎた頃、夢を見ることが出来た20代を懐かしく思い出すんです。
そして、もっと現実的な夢を追う様になる。
自分に合った夢はなんだろうと思う。
そこから本格的な自分の人生がスタートする。そんな気がします。