「キャリア官僚だって人間」―30歳元キャリア官僚の語る霞ヶ関の実態
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またまた「ヤメ検」ならぬ「ヤメ官僚」の愚痴かと思いつつ開いたインタビュー記事。
意外にも、まじめで実直な経済産業省キャリア官僚(31歳 既に辞職)のストレートなトークだった。
経産の官僚は辞めた後にマスコミにすり寄って世の中を茶化すようなタイプの人が多く、
いったいこの省はどうなっているのだろうと思っていたが・・・。
この31歳の官僚さんは実態を正直に話してくれていると思った。
選挙が近付くと官僚叩きをすればマスコミや国民の支持が得られると思うのか、政治家が官僚叩きを始める。
官僚が政治家の意向を潰した、邪魔をする、官僚支配、・・・等々。
しかし、当の各省の大臣や政務官の口からそのような不満はあまり聞かれない。
官僚を動かしているのは内閣に入った大臣や政務官なのだから、国会の議員の命令には従わなくて当然。
(質問書が来れば真摯に答えなくてはならない)
日本は法治国家だから国会議員や経済界のお偉い方から要望や希望が来ても、簡単にはOKが出ないようになっている。
何重にもバリアーが掛かっていて、簡単には通らないのは健全に機能している証拠である。
邪魔をされたと言っているのは、たぶんバリアーに遮断されて進めないことを伝えられると、
官僚が邪魔をして通さないのだと思い込むのだろう。
または、バリアーを解除する鍵を官僚が持っているのにそれを隠していると思っているのかもしれない。
しかし、官僚にそんな権限は持たされていない。法を犯せば大臣であれ官僚のトップであれ罰せられる。
ただ、官僚は法律を知っていて、この法律があなたの要望を阻止していますよ。
だから、この部分の要望をこういう形に変えれば一歩前に進めるかもしれません。というアドバイスはできる。
が、その要望が一部の利益供与になるような場合はアドバイスは控える場合もあり得ると思う。
そこに政管の癒着が発生することも考えられるので、政治家の一方的な官僚叩きには気をつけた方がいい場合もあると思ったほうが賢い。
一方だけの言い分というのは鵜呑みにしないほうがよさそうである。
この31歳の元経産キャリア官僚さんは、官僚の仕事が段々魅力的ではなくなってきている現状を肌で感じて辞職を決意したと言っておられた。
彼の選択は、多くの優秀な若手官僚が後に続く選択なのだろうと思う。
挙句の果ては、歯の抜けた櫛のようなガタガタの官僚機構になっていくのだろうか?
公務員改革が落とす影が垣間見えたようで心寒い気持ちになった。
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