始めて校区の中学校を訪問した時の印象は決していいものではありませんでした。

黒い学生服に黒い髪、後ろから見ると真っ黒。その集団が静かにごそごそ動いている感じ。

何故こんなに真っ黒にする必要があるんだろう

中学校の先生のお話の仕方にも ??
なぜにその高飛車な態度、押さえつけた物言い ?
子供が中二の秋でした。
「J君が教室から出て行った。」

「授業中に?」
「先生がシツコイんだよね」
「あれじゃ、J君も切れるよ」
お掃除に喧しい担任は掃除をする子を可愛がり、掃除嫌いの子を学級裁判までして以前からその子を糾弾していたらしい。
「僕が班長のときはJ君、自分の持場はちゃんと掃除するんだよ

「どうやって掃除させるの ?」
J君に 「ここからここまで掃除してと言ったらちゃんとする」
「あいつ気のいい奴なんだ σ(゚・゚*)」 「ヤバイよ」
私は心配になって面識の無いJ君の家に電話を掛けてみました。
「J君戻りましたか ?」
お母さん・・・「戻りません



J君のお母さんは電話の向こうで途方にくれて泣いていました。
心細そうです。
「お母さん探しましょう、取り合えずうちに来ませんか?」
お母さん・・・「すみません

直ぐにお母さんは飛んできました。お茶をお出ししても喉を通りません。
子供と相談して、学年の不良(ワル)に連絡をしてみました。
中学校の不良(ワル)といっても 一緒に小学校に通っていた古い友達たちです。不良(ワル)に追いやられた経緯をある程度知っています。俺はワルになったけどお前はワルの中間じゃない。その暗黙の了解を互いに持った間柄。
直ぐに事情を聞いて動いてくれました。
「Jが見つかりました。A君(不良ワル)達が見つけてくれました」
連絡が来たのは夜中でした。お母さんはとてもとても喜んでくれました。

A君が不良(ワル)になったのは部活でのいじめが発端でした。
その時の先生の対応の不味さ、部活仲間の周到ないじめの実態、真っ黒な集団の現実を見て聞いてゾッとしました。
子供は言いました。チクルと今度は自分が標的になると・・・。
J君が挨拶に来てくれました。
「J君、A君達の仲間に入ったらいけんよ

「いい奴だけど、それは知ってるけど、入ったら抜けるの大変なんよ

「中学校の先生が嫌らしいのはおばちゃんも知ってる、でも負ける喧嘩はしなさんな」
「賢く喧嘩はしなさい」「幼稚な反抗じゃ相手の思う壺よ」
中学校の教師に対しての信頼や畏敬はそこには全く無く、子供の進路に影響力を持つ権力者の姿が見て取れる。要領のいい親子は教師の前では“イエスマン”となりその時をうまく切り抜ける才覚を発揮する。
それが現実社会にも通じるものかもしれないしリアル社会勉強なのかもしれない。
しかし、そこには誠意や信条などというものは無い。
この時期の子供には、処世術や要領より人間としての尊厳や生きる事、死ぬ事、愛する事、好きになる事など形而上学の苦悩を少しでいいから噛み締めてもらいたい。と思うのです。
そんな何の役にも立たない事をふと考える時期であり、この年頃にこそ磨かれるものなんですもの。

今日は硬い話になってしましました。

winは今日お留守番だったので


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