“賢こければ”楽しく充実した人生になるのか

と問われても、確信を持って「はい」とは言えません。

楽しいとか幸せだとか感じるのは人それぞれです。
子供は、キャリアの道に進みました。
それが本当の意味で幸せかといえば、はなはだ疑問です。
AM9時から翌朝5時迄仕事、仕事、仕事という状態の人がどこにでもいるような職場です。
プレッシャーも大きく、ひどい上司に当たれば日々地獄です。
それよりは、好きな事をして、好きな人と、好きなものを食べて着て、触って、生きてゆく方が幸せなはずです。
しかし、人はそれだけでは満足しない厄介な生き物なんですね。
食べたい欲求があってこそ それを食べた時 満たされた喜びを感じる。

飽くなき刺激を求め、刺激の先の欲求を求め、それを満たそうとし、
満たされて「あぁー幸せ

その幸せもしばらく続けば、また飽きるです。
子供にキャリアの道に進むことを勧めたのは私です。
9時から翌朝5時の仕事もあることは知っていました。
この子はささやかな幸せに浸って生きてゆける性格ではないと思ったからです。
負けん気が勝っている性格だからです。
テストの結果が悪い時、自分自身に腹を立て 身を震わせて泣く姿を見てきているからです。
持って生れた性分は変えようがありません。性格を変えるような事をすれば、素直さも変えざるをえなくなります。
私はこの性格を変えさせようとは思いませんでした。
これこそがこの子の個性。活かすしかないと思いました。
「なんでこの子は苦難を選ぶのか」と親として泣いたことはいくらでもあります。
しかし、その時いつも母親としての自分に言い聞かします。
この子の行く手を阻んではいけない、親は子供の可能性を見守るしかないのだと。
私は、そんな我が子が傷付き疲れた時、いつでも迎え入れられる母港であり続けたいと思っています。
親元、地元が大好きで、帰省のたびに東京に向かう空港で涙の別れをしています。

しかし、苦難の先の達成感が欲しくて、自分の力を存分に発揮できるであろう仕事がしたくて。 この仕事を選んだんです。
今のところ素敵な上司に恵まれていて、後悔はしていないようです。
これも一つの幸せなんですよね。


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