2017年09月14日

本 孤宿の人〈上・下〉

昨日読み終えた
宮部みゆき著「孤宿の人〈上・下〉」

久しぶりに最後は泣けました。
やはり人の心の優しさに弱いです。

“ほう”はちょっととろい女の子。
母親は奉公先の若旦那の手が付き身ごもり出産後直ぐに亡くなる。
不幸な生まれのほうは物覚えが悪く邪魔者扱いされ、いい様にコキ使われる。
誰にも愛されずいじめにも遭うがトロイ頭が幸いするのか、心が捻じ曲がっていない。
人が私に冷たく当たるのは阿呆の呆(ほう)だからだと思っている。
周りの人に教えられた阿呆のほう(呆)を素直に受け入れている。

そのほうの素直な優しい心根がじんわり伝わる宮部さんの筆致に読み手は癒される。
そんな阿呆のほう(呆)に加賀殿が名前をくださる。
最初に方角のほう(方)そして最後は宝のほう(宝)

見目麗しく才たけてもいいが、
人の深い悲しみや優しさを汲み取れる確かな心の目を持ち、素直に相手を見つめる目を持つことの素晴らしさを感じ涙が流れた。



8月の読書でこころに残ったもの

孫子(上・下) 海音寺潮五郎著
人情武士道  山本周五郎著
ちょっと今から仕事やめてくる 北川恵海著
果つる底なき 池井戸潤著





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posted by win-manma at 15:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2017年05月29日

備忘録 2 「菅仲」

声に暗さがない。
素直で明るいということは、思考と生活に屈折がないということで、
実は人としての器としては大成しない。

宮城谷 昌光 著 「菅仲」より



先月読んだ宮城谷氏の本
内容(「BOOK」データベースより)
「管鮑の交わり」で知られる春秋時代の宰相・管仲と鮑叔。二人は若き日に周の都で出会い、互いの異なる性格を認め、共に商いや各国遊学の旅をしつつ絆を深めていく。やがて鮑叔は生国の斉に戻り、不運が続き恋人とも裂かれた管仲を斉に招く―。理想の宰相として名高い管仲の無名時代と周囲の人々を生き生きと描く。


「素直で明るいということは、思考と生活に屈折がない」このような人物が理想的だと思ってきたが、否定されてしまった。

鮑叔は明るく素直で精神に屈託がなく爽やか。
苦難にあっても素直で真っ直ぐな精神性を貫き、己の信ずる道を進み己が信じた管仲を敬い管仲に道を譲った。
鮑叔こそ屈折のない生き様を示していると思うのだが、この捉え方では読めていないということなのだろうか。

私には大成し名声を得た管仲よりも鮑叔のほうが人としての器は大きいと思えるのだが・・・。
素直なお育ちだから宰相として大成しなかったといいたのだろうか。
管仲は苦労が多く挫折や困難が多かった。だから大成したのだと?

そんな単純なことは書かれないはずだ。
苦労が多く、困難や挫折や苦しみが人を大きくするというのは分かるような気がするが、はたして土台が素直でおおらかでない人が大成するだろうか。

この小説「菅仲」において主人公菅仲は鮑叔より見劣りがするなと私は思った。

これは好みの問題だけではいように思うのだが・・・。



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posted by win-manma at 21:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録

2017年05月24日

備忘録 山本周五郎著 虚空遍歴より

死ぬことはこの世から消えてなくなることではなく、その人間が生きていた、という事実を証明するものだ。死は人間の一生にしめ括りをつけ、その生涯を完成させるものだ、消滅ではなく完成だ

虚空遍歴より


そうか!
消滅するだけだと思っていたが、そんな簡単で単純なものじゃないよな。

今は亡き我が両親や祖父母の存在の証は彼等を知る者の記憶の中にしかなく、いずれは忘れ去れるのが人間だと思ってきた。
が、
自分自身の死を見つめる時、私はこの世から居なくなるんだ。みんなバイバイねという心境では逝けない。
私の人生、これで御仕舞い。と納得しなきゃいけない。


この虚空遍歴を私はまだ読んでいない。
宮本輝氏の「命の器」の作中に出てきたので忘れずにいたいと思いここにメモした。

読もう。



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posted by win-manma at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 備忘録